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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

11月も下旬となり、ぼちぼち2024年についても考える季節となりました。

つい先日とある対談で今年観た映画のベスト5をあげる機会があり、もう今年の総括の時期かと、2023年の映画記録を見返していました。

ようやく一年を通して忘れる事なく映画記録をつけることに成功し、何作鑑賞したか正確に把握することができ、たいした事でもないのに何か大きなことを達成した気分になっています。

記憶に強く残っている今年公開されたと思っていた作品が去年のものであったり、時の経過のはやさを感じながら、年末までじっくり振り返っていきたいと思います。

Vol.231『正欲』

☆4.2/☆5.0

https://bitters.co.jp/seiyoku/

 

不登校の息子が世間から断絶されることを恐れる検事の啓喜。ひとつの秘密を抱え、自ら世間との断絶を望む寝具販売員の夏月。夏月の中学の同級生で、夏月と秘密を共有する佳道。心を誰にも開かずに日々を過ごす大学生・大也。自分の気持ちに戸惑いながらも心に従おうと邁進する、大也と同じ大学に通う八重子。
無関係に見えたそれぞれの人生が、“ある事件”をきっかけに交差する……。

 

2021年3月に発売され、第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウの小説『正欲』が実写映画化。2009年に『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を、2013年『何者』で直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年の節目に書き上げました。

『あゝ、荒野』『前科者』の監督・岸善幸と、脚本家・港岳彦がタッグを組み、原作を大胆に再構築しながら、映画化を実現。

検事の寺井役に稲垣吾郎、性的嗜好のマイノリティで悩む夏月と佳道を、新垣結衣と磯村勇斗が演じています。

同じ地平で描き出される、家庭環境、性的指向、容姿…様々に異なる選べない背景を持つ5人。人が生きていくために模索する姿を生々しく描写し、次第に彼らの関係は交差していく。

目を背けたくなるかもしれない。驚愕を持って受け止めるかもしれない。もしくは、共感を呼び自身の姿を重ね合わせるかもしれない。それでも、誰ともつながれない、だからこそ誰かとつながりたい。どうしたって降りられないこの世界で、生き延びるために大切なものを強い衝撃や深い感動とともに提示する。今、この時代にこそ必要とされる、心を激しく揺り動かす、痛烈な衝撃作。

人に理解されない性癖を持ち、それを隠しながら生きる者たちと、自分が理解できないものから目を逸らし理解しようともしない者たち。一人一人の息苦しさや理解できない事に対する無意識のうちの加害性、それらの表現に衝撃を受け、多様性を認めようという意識が広がってきた昨今であっても、理解されない苦悩や生きづらさを感じている人が存在するのだと頭を殴られた感覚になる。

夏月たちの人の当たり前から外れたどこにも所属していないような、世界の一員になれていないような感覚に共感を覚えながら、自分の中の普通や当たり前という感覚を改めてじっくりみつめることとなるのです。

多様性というテーマを取り扱う作品の中で、丁寧にそして淡々と描かれていることが分かりやすさに繋がり、入り込みやすい作品となっていました。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
Vol.96『街の上で』
Vol.97『ザ・スイッチ』
Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
Vol.99『ノマドランド』
Vol.100『ファーザー』
Vol.101『くれなずめ』
Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
Vol.106『ライトハウス』
Vol.107『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
Vol.108『1秒先の彼女』
Vol.109『ブラック・ウィドウ』
Vol.110『17歳の瞳に映る世界』
Vol.111『プロミシング・ヤング・ウーマン』
Vol.112『日常対話』
Vol.113『ザ・スーサイド・スクワッド』
Vol.114『フリー・ガイ』
Vol.115『サマーフィルムにのって』
Vol.116『アナザーラウンド』
Vol.117『ドント・ブリーズ2』
Vol.118『うみべの女の子』
Vol.119『レミニセンス』
Vol.120『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
Vol.121『キャッシュトラック』
Vol.122『DUNE/デューン 砂の惑星』
Vol.123『キャンディマン』
Vol.124『最後の決闘裁判』
Vol.125『ラストナイト・イン・ソーホー』
Vol.126『アンテベラム』
Vol.127『マリグナント 狂暴な悪夢』
Vol.128『スパゲッティコード・ラブ』
Vol.129『リトル・ガール』
Vol.130『ボクたちはみんな大人になれなかった』
Vol.131『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
Vol.132『キングスマン:ファースト・エージェント』
Vol.133『マトリックス レザレクションズ』
Vol.134『ドント・ルック・アップ』
Vol.135『ハウス・オブ・グッチ』
Vol.136『さがす』
Vol.137『偶然と想像』
Vol.138『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
Vol.139『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
Vol.140『ちょっと思い出しただけ』
Vol.141『アンチャーテッド』
Vol.142『ナイル殺人事件』
Vol.143『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
Vol.144 『林檎とポラロイド』
Vol.145『ナイトメア・アリー』
Vol.146『TITANE/チタン』
Vol.147『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
Vol.148 『ハッチング―孵化―』
Vol.149『モービウス』
Vol.150『カモン カモン』
Vol.151『パリ13区』
Vol.152『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』
Vol.153『流浪の月』
Vol.154『死刑にいたる病』
Vol.155『犬王』
Vol.156『トップガン マーヴェリック』
Vol.157『FLEE フリー』
Vol.158『PLAN75』
Vol.159『ブラック・フォン』
Vol.160『ベイビー・ブローカー』
Vol.161『X エックス』
Vol.162『呪詛』
Vol.163『ソー:ラブ&サンダー』
Vol.164『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
Vol.165『グレイマン』
Vol.166『女神の継承』
Vol.167『サバカン SABAKAN』
Vol.168『NOPE/ノープ』
Vol.169『ブレット・トレイン』
Vol.170『LAMB/ラム』
Vol.171『手』
Vol.172『秘密の森の、その向こう』
Vol.173『ホラー・ショートフィルム特集』
Vol.174『マイ・ブロークン・マリコ』
Vol.175『アフター・ヤン』
Vol176. 『窓辺にて』
Vol.177『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
Vol.178『RRR』
Vol.179『ファイブ・デビルズ』
Vol.180『ザ・メニュー』
Vol.181『ザリガニの鳴くところ』
Vol.182『ラーゲリより愛を込めて』
Vol.183『MEN 同じ顔の男たち』
Vol.184『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
Vol.185『ケイコ 目を澄ませて』
Vol.186『ファミリア』
Vol.187『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
Vol.188『ノースマン 導かれし復讐者』
Vol.189『ピンク・クラウド』
Vol.190『すべてうまくいきますように』
Vol.191『バイオレント・ナイト』
Vol.192『バビロン』
Vol.193『ボーンズ アンド オール』
Vol.194『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
Vol.195『フェイブルマンズ』
Vol.196『The Son/息子』
Vol.197『オットーという男』
Vol.198『エスター ファースト・キル』
Vol.199『ザ・ホエール』
Vol.200『生きる LIVING』
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Vol.202『AIR/エア』
Vol.203『それでも私は生きていく』
Vol.204『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』
Vol.205『最後まで行く』
Vol.206『aftersun/アフターサン』
Vol.207『テリファー 終わらない惨劇』
Vol.208『M3GAN/ミーガン』
Vol.209『ザ・フラッシュ』
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Vol.211『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
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Vol.215『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
Vol.216『イノセンツ』
Vol.217『リボルバー・リリー』
Vol.218『シャーク・ド・フランス』
Vol.219『MEG ザ・モンスターズ2』
Vol.220『アステロイド・シティ』
Vol.221『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』
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Vol.223『オオカミの家』
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Vol.226『死霊館のシスター 呪いの秘密』
Vol.227『キリエのうた』
Vol.228『シック・オブ・マイセルフ』
Vol.229『理想郷』
Vol.230『私がやりました』

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テラシマユウカ

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。2022年5月21日『GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR 』YOKOHAMA BAY HALL公演より新13人体制としての活動がスタートし、2023年5月10日(水)にはメジャー2ndアルバム「OUR PARADE」をリリース。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在であり、映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「今日はさぼって映画をみにいく」を現在連載中。

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