こんにちは、テラシマユウカです。
先日期間限定で新宿にて開催されていたブラムハウスのポップアップショップ、リアル・ブラムハウスに行ってきました。
想像以上に道に面したオープンなセッティングでしたが、新宿駅前すぐの街を行き交う人たちを前に、恥ずかしげもなくエクソシストのベッド浮遊シーンを再現してきました。
海外では死霊館のシスターやスマイルなど、ホラー映画のプロモーションがよく街で行われている印象ですが、日本ではまだ機会が少ないのでこれをきっかけに増えていくといいなとほんの少しの期待を胸に抱いてしまいます。
Vol.233『エクソシスト 信じる者』
☆3.9/☆5.0
ヴィクターは12年前に妻を亡くして以来、1人で娘のアンジェラを育てている。
ある日、アンジェラと親友のキャサリンが森へ出かけたきり行方不明となるが、3日後に無事保護される。しかし、その日から彼女たちの様子がどこかおかしい。突然暴れ出し、叫び、自傷行為を行うなど常軌を逸した行動を繰り返す2人・・・。
ヴィクターはかつて憑依を目撃した経験者クリス・マクニールに助けを求め、悪魔祓いの儀式を始めるが、それは想像を絶する危険な試みだった。懸命に見守る親達を嘲笑い悪魔は問いかける。
1人は生き残り、1人は死ぬ。
どちらかを選べと――。
悪魔に取り憑かれた少女と悪魔祓いの儀式を行う神父らの姿を描き、悪魔ブームを生み出す大きなきっかけとなった映画『エクソシスト』(1973年)。
ウィリアム・ピーター・ブラッティの書いた小説を原作とし、彼自身が脚本も担当。『フレンチ・コネクション』のウィリアム・フリードキンが監督を手がけて生まれた『エクソシスト』は、アカデミー賞脚色賞やゴールデングローブ賞にも輝いた。ホラー映画の金字塔として後に続くこととなる悪魔祓い映画の雛型ともなり、この恐怖と衝撃を超えた映画は未だかつて存在しません。
そんな『エクソシスト』から始まるシリーズ最新作という位置づけで、50年ぶりの続編となる『エクソシスト 信じる者』が遂に公開。
1977年と1990年にエクソシスト2・3がそれぞれ公開されており、細かく言うと5作品ほど存在するシリーズですが、2023年公開の最新作はその続編にはあたらず、あくまで”元祖”『エクソシスト』の続編という立ち位置になっています。
『ゲット・アウト』『M3GAN/ミーガン』をはじめとした異色のヒット作を生み出し、ホラー・スリラー界を牽引し続ける製作会社ブラムハウスと、『ハロウィン』シリーズ3部作のデヴィッド・ゴードン・グリーンを監督に迎えて描くのは、悪魔に憑依された2人の少女をめぐる壮絶な物語。
娘が同じ経験をした過去を持つ母親クリス・マクニール役を、50年ぶりにオスカー女優のエレン・バースティンが演じています。
第1作目原点からの正当な続編として謳われている今作を、どのような方向に物語を進めるか気になるポイントであります。ジャンルっぽ過ぎない元祖の雰囲気を継承しようとする姿勢を感じながらも、オリジナルに囚われず別のベクトルにもテーマを振り独立した単体の作品として悪魔に取り憑かれた少女の恐怖を実感するホラー映画として成り立っている印象でした。
神や悪魔を信じない父親が、次第に娘の変化が悪魔の仕業であると理解していく過程は観客が主人公と同じ視点で追体験でき、登場人物らの迷いや苦悩を中心にドラマ性の高い家族愛、結束、信仰心など、今作の軸でもある”信じる”ことに感情移入しやすい仕組みとなっています。
悪魔祓いを行うのが聖職者ではない点や、同じ悪魔に憑依されシンクロする少女たち、様々な宗教が結束して悪に立ち向かう点など新鮮さもあり、結末にはある種の残酷さもありインパクトに残る。
2人の少女の憑依された凄まじい演技にはシンプルに圧倒され、乾き切った肌の粉っぽい質感や画面越しにも伝わってきそうな腐敗臭など不気味さを増幅させる表現方法にも凝った作品となっています。
今作を始まりとして3部作のシリーズで展開されていく予定の新『エクソシスト』。現時点で分かっている第2作目のタイトル「Deceiver 欺く者」が今作の「Beliver 信じる者」とどう繋がっていくのか。対となる理由はあるのか? これから展開されていく物語に期待が高まります。
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