テラシマユウカの映画コラム Vol.247『ARGYLLE／アーガイル』

こんにちは、テラシマユウカです。

先日MEGA VEGAS 2024に出演させて頂きました。

錚々たるバンドの方々の中で唯一アイドルとしてパフォーマンスをさせて頂き、これまでにないとっても貴重な機会で素敵な時間だったなと、心地のいい余韻を引きずっています。

ステージ横で素晴らしい先輩方のライブを見学していましたが、音楽を浴びる幸福感とひとつひとつの音に込められた圧倒的な熱量に胸がいっぱいになり、とんでもないものを目撃してしまったという感覚です。

今すぐ客席に飛び込んで、みんなと一緒に歌って拳を突き上げて汗をかきたいと願ってしまいました。

私たちは楽器を演奏しないけれど、歌とダンスという私たちなりの表現であの熱を、音を、伝えていかなきゃと、先輩方の背中に教えて頂いた1日でした。

Vol.247『ARGYLLE／アーガイル』

☆3.8/☆5.0

『キック・アス』『キングスマン』シリーズを手掛けてきた“奇才”マシュー・ヴォーン監督が描く痛快スパイアクション。

現実と空想のスパイ世界が交差する壮大な物語を、ヴォーン監督の独特すぎる感性と唯一無二の演出で描き、想像を超える刺激的なサプライズを約束するファンタジック・アクション・エンターテインメント。

『ジュラシック・ワールド』シリーズのブライス・ダラス・ハワードが主人公エリーを演じ、『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェル、『コードネーム U.N.C.L.E.』のヘンリー・カヴィルらが脇を固めます。

ファーストシーンからスパイ映画ならではの怒涛の激しいアクションで幕を開けますが、一転してこの展開が物語の主人公であろうエリー・コンウェイの小説の中の物語だったことに気付かされます。ですが、これはまだ『ARGYLLE／アーガイル』の本当の姿ではないのです。なるほど、こういう事か！と納得し落ち着いたタイミングで二転三転と観客を裏切り続けるストーリーが仕掛けられていきます。

「一流スパイは世界をダマす。」と作品が謳うように、先読み不能の展開に気持ち良いほど欺かれ続け、「事実は小説よりも奇なり」という言葉以上のひねりを効かせた発想でユーモア満点に描くクレイジーな新感覚スパイ映画となっています。

主人公の書いたスパイ小説が現実のスパイ組織を予言していると知らされたエリーが本当のスパイの世界へ巻き込まれていく。現実と彼女の空想が入り混じるような世界の中で、アクションと殺戮をカラフルでポップに、マシュー・ヴォーン節全開で描いていく映像は底抜けに明るく斬新な楽しさが存在します。

序盤のスリリングな展開からやがて陰謀めいた物語へ、少しずつ真実に辿り着いたかと思いきやまた裏切られ、それを繰り返し散らばった伏線を回収していく爽快感は頭を空っぽにして子どもから大人まで楽しめるテーマパークのようで、ファンタジーとスパイアクションが組み合わさったジャンルを確立した良いエンタメ映画でした。

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