こんにちは、テラシマユウカです。
ここしばらくテレビをつけない生活を送っていましたが、久しぶりに観たい番組がありリモコンを手に取りました。
THE SECONDグランプリファイナルがあり、いつもお世話になっているガクテンソクの奥田さんが進出されたと言うことで手に汗握りながら観ていました。
結果、見事優勝!おめでとうございます!
家でひとりなのに声を出してしまい、一つの事に向き合い続ける熱量と誰かを応援することの素晴らしさを同時に体感して余韻に浸っています。
Vol.257『ミッシング』
☆4.3/☆5.0
https://wwws.warnerbros.co.jp/missing/
とある街で起きた幼女の失踪事件。あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。
娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。
そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。
世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。
一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。
それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。
失踪した娘を懸命に探し続けるが、夫婦間の温度差や、マスコミの報道、SNSでの誹謗中傷により、いつしか心を失くしていく母親・沙織里を演じたのは石原さとみ。「母となった今だからこそ、この役と向き合えた」と語り、これまでのイメージを一新させる新境地に体当たりで挑んだ。さらに、沙織里たち家族の取材を続けるテレビ局の記者・砂田に中村倫也、沙織里の夫・豊に青木崇高、娘の最後の目撃者となった沙織里の弟・圭吾に森優作、ほか豪華実力派キャスト陣が集結。
『ヒメアノ〜ル』『BLUE/ブルー』『空白』など、常に観客に衝撃を与え、想像力を刺激する作品を発表し続ける人間描写の鬼・吉田恵輔が、「自身のキャリアの中で最も覚悟のいる作品」と語る本作は、雑音溢れる世の中をリアルに、そして繊細に描き、そこに生きるわたしたちの心を激しく揺らす。
娘が失踪し、出口のない暗闇に突き落とされた家族。どうにもできない現実との間でもがき苦しみながらもその中で光を見つけていく、限りなく哀しくて、愛しくて、優しい物語。
『空白』にも通ずるどこに感情をぶつけていいか分からないやり切れなさや戸惑い、悲しみ、怒り、全てが痛々しいほどにリアル。田恵輔ワールドの炸裂した、観る者の心を抉りまくる人間の生臭さにクラクラする。
ドラマチックな展開な奇跡など起きず、生き地獄と言っても過言ではない両親の日常を非常な程冷静に切り取り、行方不明になった子どもの親の視点を通して喪失をあらわにする。SNSが普及し人間の感性もおかしく変化してはいないかと誰もが疑念を抱き始めている現代において、悪意のない言葉や善意にすら傷付き翻弄され、ドラマや音楽のように事件も消費されていく世の中の悲劇を点ではなく線で追い続け、いわばドキュメンタリーのように映し出すことによって今の社会とリアルに向き合い考えさせられます。
全編に渡って石原さとみの凄さが際立った作品であり、本当に気が狂ってしまったのかと思うほど悲痛な叫びは観ているだけで苦しくてたまらなく辛く、でも現実とはそういうものなのだ。とそう思うほどに心を打ち砕かれてしまいます。
終わりの見えない絶望にひたすら身体中が痛くなる変わらない展開で、始まりから終わりまで状況は好転していないが引き込まれる演出と、残酷で救いのない脚本にも関わらず、後味にモヤモヤが残るわけでもない。人の嫌な部分を見せつけ続けて、最後にほんの少し救いを持たせるのは田恵輔監督の手腕であり、この救いは登場人物と言うよりは観客にとっての救いだが、苦しいことばかりでも、微かに差す小さな光に心がふっと軽くなる感覚を覚えます。
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Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
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Vol.12『惡の華』
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Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
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Vol.21『マチネの終わりに』
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Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
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Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
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Vol.66『TENET テネット』
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Vol.68『ミッドナイトスワン』
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Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
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Vol.78『ザ・プロム』
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Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
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Vol.114『フリー・ガイ』
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Vol.123『キャンディマン』
Vol.124『最後の決闘裁判』
Vol.125『ラストナイト・イン・ソーホー』
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Vol.128『スパゲッティコード・ラブ』
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Vol.130『ボクたちはみんな大人になれなかった』
Vol.131『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
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Vol.144 『林檎とポラロイド』
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