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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

普段ホラーやスプラッターなど刺激の強い映画を好む傾向にある私ですが、たまにはハートフルな作品がどうしようもなく観たくなる気分の時があります。

そんな時には、こどもが主役の映画を選ぶのですがそんな心温まる作品の中にまたひとつ選択肢が増えました。

今週はそんな素敵な作品をご紹介します。

Vol.279『リトル・ワンダーズ』

☆4.3/☆5.0

https://klockworx.com/littlewonders
https://www.youtube.com/watch?v=5eWejbaWQwE悪ガキ3人組“不死身のワニ団”、アリス、ヘイゼル、ジョディは大の仲良し。
ある日、ゲームで遊ぶ代わりとして、ママの大好きなブルーベリーパイを手に入れに行くが、必要な卵を謎の男に横取りされる。奪い返すために男を追いかけた3人は、魔女率いる謎の集団“魔法の剣一味”に遭遇し、怪しい企みに巻き込まれてしまう。
森で出会った、魔女の娘ペタルを仲間に、悪い大人に立ち向かう4人…
果たしてこどもたちの運命は?無事にパイを手に入れ、ゲームをプレイできるのか!?

こどもにかかればお手のもの。
魔女を倒してパイを手に入れろ!
わくわくがとまらないネオ・アドベンチャー。

 

第76回カンヌ国際映画祭 監督週間/カメラ・ドール部門、第48回トロント国際映画祭 ミッドナイト・マッドネス部門クロージング作品に選出。

16mmフィルムでの撮影や美術を駆使したレトロフューチャーな世界観の作り込みと魅力的なキャラクターの愛くるしさで、各国の映画祭をトリコに!こども達の冒険や成長を描いた『グーニーズ』や、こどもから見た世界やその無垢な姿を映した『ロッタちゃん』シリーズを彷彿とさせる新たな〈こども映画〉の傑作が誕生した。

「魔法の剣一味」を率いる魔女役に『きみといた2日間』『ラブ・アゲイン』のリオ・ティプトン。本作が長編デビューとなるウェストン・ラズーリが監督・脚本を手がけました。

16mmフィルムで撮影された映像が美しく、こどもたちの夏がノスタルジックに映し出される。彼らにとって日常はいつでも大冒険なのかもしれない、そんなファンタジーのようなシーンから始まります。アリス、ヘイゼル、ジョディの3人で構成される“不死身のワニ軍団”がゲームを盗み出す悪事からこどもたちの日常とファンタジックな映像がどのように繋がっていくのか想像力を掻き立てる。

風邪をひいたママのためにブルーベリーパイを作るべく駆け巡るこどもたちを追う愛しい物語ですが、背伸びをするように大人びた振る舞いをする姿が物語に壮大な冒険が始まる予感を感じさせます。

RPGの世界に迷い込んだみたいにブルーベリーパイのためにミッションを遂行し、魔法や呪文などオカルト要素が説明なく登場しますが、そんなはちゃめちゃな設定もある種の寓話的な立ち位置で受け取ることができます。

誰もが一度は観たことのあるストレートなこどもの冒険物語であり、幼い頃の記憶を自ら回想し心がぽっとあたたかくなる。まるで、ふと思い出した時に引っ張り出してきて蓋を開けたくなる、大切な物をしまっておくお気に入りのクッキー缶のような存在の物語です。

この後味が残り続ける心地よさを忘れずにいたい、自分の身近にあるブルーベリーパイを探しに冒険に出かけたくなる一作です。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


「今日はさぼって映画をみにいく」のバックナンバーも合わせてチェック!!

Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
Vol.96『街の上で』
Vol.97『ザ・スイッチ』
Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
Vol.99『ノマドランド』
Vol.100『ファーザー』
Vol.101『くれなずめ』
Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
Vol.106『ライトハウス』
Vol.107『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
Vol.108『1秒先の彼女』
Vol.109『ブラック・ウィドウ』
Vol.110『17歳の瞳に映る世界』
Vol.111『プロミシング・ヤング・ウーマン』
Vol.112『日常対話』
Vol.113『ザ・スーサイド・スクワッド』
Vol.114『フリー・ガイ』
Vol.115『サマーフィルムにのって』
Vol.116『アナザーラウンド』
Vol.117『ドント・ブリーズ2』
Vol.118『うみべの女の子』
Vol.119『レミニセンス』
Vol.120『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
Vol.121『キャッシュトラック』
Vol.122『DUNE/デューン 砂の惑星』
Vol.123『キャンディマン』
Vol.124『最後の決闘裁判』
Vol.125『ラストナイト・イン・ソーホー』
Vol.126『アンテベラム』
Vol.127『マリグナント 狂暴な悪夢』
Vol.128『スパゲッティコード・ラブ』
Vol.129『リトル・ガール』
Vol.130『ボクたちはみんな大人になれなかった』
Vol.131『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
Vol.132『キングスマン:ファースト・エージェント』
Vol.133『マトリックス レザレクションズ』
Vol.134『ドント・ルック・アップ』
Vol.135『ハウス・オブ・グッチ』
Vol.136『さがす』
Vol.137『偶然と想像』
Vol.138『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
Vol.139『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
Vol.140『ちょっと思い出しただけ』
Vol.141『アンチャーテッド』
Vol.142『ナイル殺人事件』
Vol.143『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
Vol.144 『林檎とポラロイド』
Vol.145『ナイトメア・アリー』
Vol.146『TITANE/チタン』
Vol.147『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
Vol.148 『ハッチング―孵化―』
Vol.149『モービウス』
Vol.150『カモン カモン』
Vol.151『パリ13区』
Vol.152『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』
Vol.153『流浪の月』
Vol.154『死刑にいたる病』
Vol.155『犬王』
Vol.156『トップガン マーヴェリック』
Vol.157『FLEE フリー』
Vol.158『PLAN75』
Vol.159『ブラック・フォン』
Vol.160『ベイビー・ブローカー』
Vol.161『X エックス』
Vol.162『呪詛』
Vol.163『ソー:ラブ&サンダー』
Vol.164『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
Vol.165『グレイマン』
Vol.166『女神の継承』
Vol.167『サバカン SABAKAN』
Vol.168『NOPE/ノープ』
Vol.169『ブレット・トレイン』
Vol.170『LAMB/ラム』
Vol.171『手』
Vol.172『秘密の森の、その向こう』
Vol.173『ホラー・ショートフィルム特集』
Vol.174『マイ・ブロークン・マリコ』
Vol.175『アフター・ヤン』
Vol176. 『窓辺にて』
Vol.177『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
Vol.178『RRR』
Vol.179『ファイブ・デビルズ』
Vol.180『ザ・メニュー』
Vol.181『ザリガニの鳴くところ』
Vol.182『ラーゲリより愛を込めて』
Vol.183『MEN 同じ顔の男たち』
Vol.184『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
Vol.185『ケイコ 目を澄ませて』
Vol.186『ファミリア』
Vol.187『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』
Vol.188『ノースマン 導かれし復讐者』
Vol.189『ピンク・クラウド』
Vol.190『すべてうまくいきますように』
Vol.191『バイオレント・ナイト』
Vol.192『バビロン』
Vol.193『ボーンズ アンド オール』
Vol.194『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
Vol.195『フェイブルマンズ』
Vol.196『The Son/息子』
Vol.197『オットーという男』
Vol.198『エスター ファースト・キル』
Vol.199『ザ・ホエール』
Vol.200『生きる LIVING』
Vol.201『search/#サーチ2』
Vol.202『AIR/エア』
Vol.203『それでも私は生きていく』
Vol.204『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』
Vol.205『最後まで行く』
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Vol.208『M3GAN/ミーガン』
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Vol.210『怪物』
Vol.211『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
Vol.212『Pearl パール』
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Vol.214『ヴァチカンのエクソシスト』
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Vol.264『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
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Vol.266『墓泥棒と失われた女神』
Vol.267『ロイヤルホテル』
Vol.268『#スージー・サーチ』
Vol.269『夏の終わりに願うこと』
Vol.270『Chime』
Vol.271『フォールガイ』
Vol.272『サユリ』
Vol.273『ナミビアの砂漠』
Vol.274『ヒットマン』
Vol.275『アビゲイル』
Vol.276『憐れみの3章』
Vol.277『悪魔と夜ふかし』
Vol.278『シビル・ウォー アメリカ最後の日』

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テラシマユウカ

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。2022年5月21日『GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR 』YOKOHAMA BAY HALL公演より新13人体制としての活動がスタートし、2023年5月10日(水)にはメジャー2ndアルバム「OUR PARADE」をリリース。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在であり、映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「今日はさぼって映画をみにいく」を現在連載中。

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