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StoryWriter

こんにちは、テラシマユウカです。

この頃ひとり旅VlogがYouTubeやTikTokのおすすめに流れてくることが多く、それにつられてまんまと旅をしてみたい衝動に駆られています。

単独行動も好きで比較的どんなとこでも1人で行けるタイプなので、意外と経験していなかったひとり旅行にチャレンジしてみようかと思います。

Vol.281『ノーヴィス』

☆3.9/☆5.0

https://www.novice-movie.com/

「困難だからこそ挑戦するのだ」
J.F.ケネディの言葉を胸に、アレックスは大学女子ボート部の門を叩く。
猛烈に練習に励み、スポーツ万能な同期のジェイミーにライバル心を燃やすアレックス。上級生のケガでレギュラーの座がひとつ空いた時、その座を巡って熾烈な争いが繰り広げられる。レギュラー入りで得られる奨学金がどうしても必要なジェイミーは画策に走り、その座を奪取。出し抜かれたアレックスは雪辱を果たそうとするが、その強すぎる執着心は次第に狂気を帯びていく…。
怒涛のラスト8分間、激しい雨が降り、雷鳴轟く夜明け前、シングル艇に乗ったアレックスの暗くて熱い思いが炸裂する!

 

ハリウッドの超一流クリエイターが、実体験をもとに作り上げた 常人が辿り着けない深淵の世界。観る者を熱狂させた待望の傑作がついに公開。

デイミアン・チャゼルの『セッション』、クエンティン・タランティーノの『ヘイトフル・エイト』、ザック・スナイダーの『ジャスティス・リーグ』、ギレルモ・デル・トロの『パシフィック・リム』など錚々たるハリウッドメジャー作の音響で活躍してきたローレン・ハダウェイによる満を持しての初監督作。

大学時代にローイング(ボート競技)に自ら没頭した体験を基に作り上げられ、自身で脚本と編集も担当。『セッション』×『ブラック・スワン』を彷彿させるダークで強烈でスリリングな傑作が誕生した。斬新なショットと編集、弦楽器を中心とするアグレッシブな劇伴も相まって、観る者を息もつかせぬクライマックスへ導いていく。

主演は『エスターファースト・キル』のイザベル・ファーマン。撮影前の6週間、毎朝4時半に起き、1日6時間の水上トレーニングを行って、過酷な撮影に耐えられる精神と肉体を手に入れたファーマンの妥協のない迫真の演技に、第20回トライベッカ国際映画祭において主演女優賞が贈られた。本作は同映画祭で作品賞と撮影賞も受賞。

『ノーヴィス』という言葉が新入りや初心者を表す通り、主人公アレックスは女子ボート部に入り観客の視点と共に競技の世界を体験して行くかと思いきや、過酷なトレーニングを自ら行い、レギュラーの座を目指し強烈な意志で猛進する彼女の凄まじい執念の見入ってしまい、我々はすぐに彼女の異質さに気づくことになるのです。

ストーリーだけを読むとスポ根映画に感じるが、スリラーや心理サスペンスのような異様な空気が漂う。肉体的に自身を追い詰めるだけでなく、精神までも極限まで追い込み自ら闇へと堕ちていくその姿は正に狂気。

なぜアレックスがボート部を選ぶのか、なぜそこまで自分を追い込めるのか?そしてボートだけでなく勉学まで狂気的に取り組むが、その理由をはっきり描かずぼかすことで不気味さが増し、物語は不穏な空気を纏っていく…。

まるで悪魔に取り憑かれたかのようなアレックスに、ありがちな嫌なコーチや先輩などは登場せず、むしろ皆が彼女を心配するほど。その声を無視してサイコパスのごとく我が道を貫き追い込むのは一種のホラー映画を観ているようです。

そして最後には彼女が拘るものがみえてくる。ライバルを打ち破り満足げな表情を浮かべるものの、記録を書きかけた後に名前ごと消してしまう。アレックスが執着するのはボートではなく困難であるならばなんでも良かったのだ。

全てやり切ったアレックスはきっと次の困難を見つけ、また狂ったように自分を追い込むのだろう。そんな執念に身慄いせずにはいられない。

※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。


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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
Vol.90『花束みたいな恋をした』
Vol.91『ビバリウム』
Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
Vol.96『街の上で』
Vol.97『ザ・スイッチ』
Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
Vol.99『ノマドランド』
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Vol.101『くれなずめ』
Vol.102『クルエラ』
Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
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Vol.121『キャッシュトラック』
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「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、チャンベイビー、キャ・ノン、ナルハワールド、アイナスター、カ能セイの13人からなるアイドルグループ、GANG PARADEのメンバー。2022年5月21日『GANG PARADE THE GREATEST SHOW TOUR 』YOKOHAMA BAY HALL公演より新13人体制としての活動がスタートし、2023年5月10日(水)にはメジャー2ndアルバム「OUR PARADE」をリリース。多くを語らない性格ながら強い意志と美学を持ってグループになくてはならない存在であり、映画好きが高じて、StoryWriterにてテラシマユウカの映画コラム「今日はさぼって映画をみにいく」を現在連載中。

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