こんにちは、テラシマユウカです。
ずっと気になってはいたものの未知の世界で手をつけられていなかった編み物をついに始めてみました。
100均で500円もせずにすべての材料をそろえられ、想像していたよりもハードルの低い新たな趣味の始まりに少し驚いています。
YouTubeで基本的な編み方を習得し、まだリボンしか生み出せていない段階ですが、つぎはポーチ作りに取り掛かっています。
手を動かすことは好きなので、頭を空っぽにしてせっせと色々なものを編んでいきたいと思います。
Vol.283『トラップ』
☆3.9/☆5.0
溺愛する娘ライリーのために、彼女が今夢中の世界的アーティスト、レディ・レイブンが出演するアリーナライブのプラチナチケットを手に入れたクーパー。父親と会場に到着したライリーは、最高の席に大感激。遂にライブが幕を開け、3 万人の観客が熱狂に包まれる中、彼は異変に気付く。異常な数の監視カメラ、会場内外に続々と集結する警察…普通ではない。口の軽いスタッフから「ここだけの秘密」を聞き出すクーパー。指名手配中の切り裂き魔についてタレコミがあり、警察がライブというトラップを仕組んだという。だが、その世間を騒がす残虐な殺人鬼こそ——優しい父親にしか見えないクーパーだった!
監督は『シックス・センス』で全世界を震撼させ、今もシャマラン映画という独自のジャンルを進化させ続けている M.ナイト・シャマラン。キャリアと才能を捧げた集大成が『トラップ』。
『パール・ハーバー』『オッペンハイマー』などヒット作や巨匠の話題作で爪痕を残し高い評価を得ているジョシュ・ハートネットがクーパーを演じ、『女神の見えざる手』のアリソン・ピルが共演。
鬼才M.ナイト・シャマラン監督が仕掛ける予測不能な罠。家族思いの父のもう一つの顔は、サイコな切り裂き魔。巨大ライブ会場に仕掛けられた前代未聞の罠<トラップ>とは…?
話題となっている連続殺人のシリアルキラーの正体がジョシュ・ハートネット演じる娘思いの父親クーパーであると予告の段階で実質ネタバレした上で、警察から逃げ切れるかどうか、まさかその殺人鬼本人の視点で物語が進むとても変わった構成となっています。
クーパーが殺人鬼であることを徐々に小さな違和感によって気づかせ明かすつかみも良く、ある意外な人物が鍵となりクーパーと対峙していく展開など、結末が終着点というよりも仕掛け<トラップ>の積み重ねによってカタルシスを生み出す。犯人が分かっていることであえて考察の幅を狭め、それによってストーリーの予測が出来なくなるシャマランの手腕はお見事。
娘といる時と1人になった時でクーパーの持つ二面性がはっきりとわかれ、必要以上に食事時のナプキンを丁寧に畳んだり、かかっているタオルの端を揃えたり、強迫性障害を思わせる行動も描かれ、彼の人柄が細かく表される。実際に手を下すシーンがほぼ無くても狂気や恐ろしさが巧みに描かれていますが、シリアルキラーなのに本当に良き父親でもあり、彼に感情移入したくなるような演出で残虐な一面を知っても魅力的に感じてしまう自分もいました。
意外にもシンプルな筋立てに仕上がっており、古典的なカメラアングルの中にある気味の悪さや遠景からアップの視線誘導の絵、画面の中央に人を置く構図、映画『サイコ』へのオマージュなど、シャマランが敬愛するヒッチコックのストレートなスリラーを随所に感じさせます。
ドロドロした血生臭さなく、さらっとして見やすい娯楽映画として成立した今作はシャマラン入門編としておすすめできる一作でした。
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