こんにちは、テラシマユウカです。
先日アイドル人生ラストの遠征が終わり、これまで訪れた土地を思い出しながら東京に帰ってきました。
長時間バスに揺られている旅路は、夜景を見ながら考え事をしたり、締め切りに追われながら必死に作業を進めたり、映画を何本も続けて観たり、なんだかんだ有意義な時間を過ごしていた気がしています。
どのライブでも、今日が会えるのが最後だと特典会で伝えに来てくれる方々がいらっしゃって、お話しできる僅かな時間がすこしでもあたたかな気持ちになって帰れるものであるように、どの瞬間も大切に過ごしていきたいなと思っています。
11/30 LINE CUBE SHIBUYAのチケット一般発売が始まりましたので、お時間あるかたは是非遊びに来てください。よろしくお願いします!
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2432387&rlsCd=001
Vol.282『動物界』
☆4.1/☆5.0
近未来。人類は原因不明の突然変異によって、徐々に身体が動物と化していくパンデミックに見舞われていた。”新生物”はその凶暴性ゆえに施設で隔離されており、フランソワの妻ラナもそのひとりだった。しかしある日、移送中の事故によって、彼らは野に放たれる。フランソワは16歳の息子エミールとともにラナの行方を必死に探すが、次第にエミールの身体に変化が出始める…。人間と新生物の分断が激化するなかで、親子が下した最後の決断とはーー?
2023年、フランスのアカデミー賞と呼ばれるセザール賞で、一本の破格の衝撃作が異彩を放った。フランス映画のイメージを根底から覆すその作品『動物界』は、日本でも話題となった『落下の解剖学』を凌ぐ最多12部門ノミネートを果たし、同国で観客動員100万人越えの大ヒットを飛ばした。
その舞台は、人間が様々な動物に変異する奇病が蔓延している近未来。人種差別、移民、ルッキズム、感染症など現代的なテーマを内包し、ファースト・シーンから観客を釘付けにする”突然変異”のアニマライズ・スリラーが、あなたの想像力を刺する。
『彼は秘密の女ともだち』のロマン・デュリスがフランソワ、『Winter boy』のポール・キルシェが息子エミールを演じ、『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルコプロスが共演。2014年のデビュー作『Les Combattants』で高く評価されたトマ・カイエが監督・脚本を手がけた。
突然、新生物へ変異する奇病を背景に人々の恐怖、差別、家族の愛の物語を描き、世紀末パニックやホラーともなるテーマをアートに寄せた、ディストピアなSF作品ではないフランス映画らしい人間ドラマとして魅せる。
最初は見下していた存在に自身が変貌していくことでマジョリティからマイノリティへと立場が入れ替わり、人間は他者に対してどのような対応をとるのか。そして、母親は完全に動物化し息子エミールも徐々に動物化していく中で、エミールの心身の変化、そして父親のとった行動とは。
新生物を異物として排除すべきだという声もあれば、自由を与えるべきだと主張もあり、まるで現代における移民問題や人種差別のテーマとしても捉えることができる。マジョリティを守るためのルールによってマイノリティがどれだけ苦しめられるか、立場が入れ替わることによってそれを体験する。
異端者扱いをされた者達のアイデンティティの確立と、現実社会と同じように様々な考えによって分断し戸惑いながらも生きていく人々を描く。また、エミールの動物化によって思春期の息子が成長し親離れしていくメタファーとして子どもへの深い愛情も主要なテーマと捉えられる解釈の余地の広い作品です。
心身の変化、マイノリティ、差別、ルッキズム、多様性。あらゆる問題が描かれた本作は単なるファンタジーではとどまらず、観客に多くの問題提起を投げかける優れた寓話となっているのです。
最初と最後に登場するポテトチップスのシーンが実に素晴らしく、親に対して反抗の現れだったアイテムがラストには息子に対する親の愛情を表現する手段として用いられる深い演出に、爽やかな余韻が残り続けていきます。
※「今日はさぼって映画をみにいく」は毎週火曜日更新予定です。
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Vol.1 『ハウス・ジャック・ビルト』
Vol.2『ピアッシング』
Vol.3『凪待ち』
Vol.4『Diner ダイナー』
Vol.5 『劇場版 Free!-Road to the world-夢』
Vol.6『トイ・ストーリー4』
Vol.7『チャイルド・プレイ』
Vol.8『アンダー・ユア・ベッド』
Vol.9『存在のない子供たち』
Vol.10『永遠に僕のもの』
Vol.11『ゴーストランドの惨劇』
Vol.12『惡の華』
Vol.13『アス』
Vol.14『人間失格 太宰治と3人の女たち』
Vol.15『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
Vol.16『アナベル 死霊博物館』
Vol.17『JOKER』
Vol.18『クロール-凶暴領域-』
Vol.19『ボーダー 二つの世界』
Vol.20『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
Vol.21『マチネの終わりに』
Vol.22『グレタ GRETA』
Vol.23『テッド・バンディ』
Vol.24『ドクター・スリープ』
Vol.25『マリッジ・ストーリー』
Vol.26『カツベン!』
Vol.27『ラスト・クリスマス』
Vol.28『屍人荘の殺人』
Vol.29『パラサイト 半地下の家族』
Vol.30『シライサン』
Vol.31『ペット・セメタリー』
Vol.32『ジョジョ・ラビット』
Vol.33『his』
Vol.34『犬鳴村』
Vol.35『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』
Vol.36『ミッドサマー』
Vol.37『架空OL日記』
Vol.38『スキャンダル』
Vol.39『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』
Vol.40『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』
Vol.41『デッド・ドント・ダイ』
Vol.42『青色映画ポスター特集』
Vol.43『MyFrenchFilmFestival フランスショートフィルム特集』
Vol.44『邦画特集』
Vol.45『エズラ・ミラー特集』
Vol.46『エディ・レッドメイン特集』
Vol.47『眠れない夜にみたい映画』
Vol.48『トラウマ映画特集』
Vol.49『ゴシック映画特集』
Vol.50『映画と音楽』
Vol.51『ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷』
Vol.52『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
Vol.53『アングスト/不安』
Vol.54『ANNA/アナ』
Vol.55『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
Vol.56『透明人間』
Vol.57『ダークナイト』
Vol.58『劇場』
Vol.59『海底47m 古代マヤの死の迷宮』
Vol.60『ダンケルク』
Vol.61『ハニーボーイ』
Vol.62『インセプション』
Vol.63『ようこそ映画音響の世界へ』
Vol.64『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』
Vol.65『インターステラー』
Vol.66『TENET テネット』
Vol.67『エノーラ・ホームズの事件簿』
Vol.68『ミッドナイトスワン』
Vol.69『悪魔はいつもそこに』
Vol.70『マティアス&マキシム』
Vol.71『シカゴ7裁判』
Vol.72『レベッカ』
Vol.73『ザ・ハント』
Vol.74『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』
Vol.75『エイブのキッチンストーリー』
Vol.76『オン・ザ・ロック』
Vol.77『ザ・コール』
Vol.78『ザ・プロム』
Vol.79『ワンダーウーマン 1984』
Vol.80『ソング・トゥ・ソング』
Vol.81『Swallow/スワロウ』
Vol.82『ヒッチャー ニューマスター版』
Vol.83『恋する遊園地』
Vol.84『ズーム/見えない参加者』
Vol.85『ダニエル』
Vol.86『マーメイド・イン・パリ』
Vol.87『プラットフォーム』
Vol.88『聖なる犯罪者』
Vol.89『ベイビーティース』
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Vol.92『ガンズ・アキンボ』
Vol.93『トムとジェリー』
Vol.94『BLUE/ブルー』
Vol.95『パーム・スプリングス』
Vol.96『街の上で』
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Vol.98『SNS-少女たちの10日間-』
Vol.99『ノマドランド』
Vol.100『ファーザー』
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Vol.103『猿楽町で会いましょう』
Vol.104『コンティニュー』
Vol.105『RUN/ラン』
Vol.106『ライトハウス』
Vol.107『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
Vol.108『1秒先の彼女』
Vol.109『ブラック・ウィドウ』
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Vol.111『プロミシング・ヤング・ウーマン』
Vol.112『日常対話』
Vol.113『ザ・スーサイド・スクワッド』
Vol.114『フリー・ガイ』
Vol.115『サマーフィルムにのって』
Vol.116『アナザーラウンド』
Vol.117『ドント・ブリーズ2』
Vol.118『うみべの女の子』
Vol.119『レミニセンス』
Vol.120『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』
Vol.121『キャッシュトラック』
Vol.122『DUNE/デューン 砂の惑星』
Vol.123『キャンディマン』
Vol.124『最後の決闘裁判』
Vol.125『ラストナイト・イン・ソーホー』
Vol.126『アンテベラム』
Vol.127『マリグナント 狂暴な悪夢』
Vol.128『スパゲッティコード・ラブ』
Vol.129『リトル・ガール』
Vol.130『ボクたちはみんな大人になれなかった』
Vol.131『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』
Vol.132『キングスマン:ファースト・エージェント』
Vol.133『マトリックス レザレクションズ』
Vol.134『ドント・ルック・アップ』
Vol.135『ハウス・オブ・グッチ』
Vol.136『さがす』
Vol.137『偶然と想像』
Vol.138『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』
Vol.139『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
Vol.140『ちょっと思い出しただけ』
Vol.141『アンチャーテッド』
Vol.142『ナイル殺人事件』
Vol.143『THE BATMAN-ザ・バットマン-』
Vol.144 『林檎とポラロイド』
Vol.145『ナイトメア・アリー』
Vol.146『TITANE/チタン』
Vol.147『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
Vol.148 『ハッチング―孵化―』
Vol.149『モービウス』
Vol.150『カモン カモン』
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Vol.154『死刑にいたる病』
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Vol.156『トップガン マーヴェリック』
Vol.157『FLEE フリー』
Vol.158『PLAN75』
Vol.159『ブラック・フォン』
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Vol.165『グレイマン』
Vol.166『女神の継承』
Vol.167『サバカン SABAKAN』
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Vol.171『手』
Vol.172『秘密の森の、その向こう』
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Vol.174『マイ・ブロークン・マリコ』
Vol.175『アフター・ヤン』
Vol176. 『窓辺にて』
Vol.177『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
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Vol.180『ザ・メニュー』
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Vol.182『ラーゲリより愛を込めて』
Vol.183『MEN 同じ顔の男たち』
Vol.184『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
Vol.185『ケイコ 目を澄ませて』
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Vol.242『熱のあとに』
Vol.243『ボーはおそれている』
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Vol.278『シビル・ウォー アメリカ最後の日』
Vol.279『リトル・ワンダーズ』
Vol.280『ソウX』
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テラシマユウカ
「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、テラシマユウカ、ヤ